Q.膝蓋腱反射とは何ですか。

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A.

膝蓋腱反射Knee Jerk,Patellar Reflexは,大腿四頭筋反射Quadriceps Jerkとも呼ばれます。四頭筋の収縮が反射です。
その亢進から腰髄(脊髄)損傷の可能性が示されます。
特に反射の亢進が著明な場合を膝クローヌスと言います。
腱反射(リンク)が正常か異常かの鑑別の一つです。

1 検査はどうやるの? (クリックすると回答)

あなたは仰向けに寝てください。
そして,膝関節を120から150度くらい曲げて両足をそろえてください。
お医者さんは,あなたの膝の下に手を入れ,膝を曲げさせて,足はくるぶしだけがベッドの床につくようにします。
このときに足裏全体を床につけると摩擦が大きくなり好ましくないとされています。
これ以外に,いすに座ったままのやり方もあります。
その場合は,足をやや前に出して,膝関節を100度程度に曲げて,足底を軽く床上に置いた状態にします。

いずれもお医者さんが膝蓋(いわゆる膝のお皿)の下で四頭筋を直角に叩きます。
すると,四頭筋の収縮が起こり下腿が伸展します。

検査は左右に対して行います。緊張していたり,特に検査部位に意識を集中していると腱反射は出現しにくくなると言われています。
その場合は無関係な運動(自分の右手と左手を組んで互いに引っ張る)をさせることで腱反射が出現しやすくなるとされています(Jendrassik(イェンドラシック)手技)。

2 どうなると反射亢進なの? (クリックすると回答)

下腿の伸展が起こることが反射です。
反射亢進している場合は膝蓋上部(お皿の上)を叩いても反射が起こります。

3 反射亢進だとどこの障害が疑われるの? (クリックすると回答)

腱反射は通常は上位運動系つまり錐体路から抑制されています。
そのため,錐体路(大脳中心前回~内包~延髄錐体交叉~脊髄側索)に障害があった場合に抑制が無くなるため反射の亢進(リンク)がみられるのです。

これは麻痺がある時の鑑別診断において重要な所見であり、脊髄を含めた中枢側に原因がある運動障害であると診断することができます(錐体路障害)。

大腿四頭筋を支配しているのは大腿神経ですが,その中枢は腰椎2から4番(L2から4)です。従って腰髄(脊髄)損傷が疑われます。
特に,膝関節部の膝蓋腱反射が亢進している状態を膝クローヌスと呼ぶことがあります。

4 反射減弱・消失はどういうこと? (クリックすると回答)

反射は,刺激を中枢に伝えることと,中枢から運動を伝える神経経路により行われます。
これを反射弓と言います。
反射亢進は反射弓以上の中枢つまり錐体路の障害が示唆されますが,反射減弱・消失は反射弓の障害(末梢性の障害)が示唆されます。

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