Q.モンテジア(尺骨骨幹部)骨折とは何ですか。後遺障害(後遺症)は,何級ですか。

[前腕,回内,回外,橈骨神経麻痺]

A.

モンテジア骨折は,尺骨骨幹部骨折と橈骨の骨頭部脱臼を合併したものです。
重症ですが,治療は可能でありますが,前腕の回内・回外制限限の後遺症を残す恐れはあります。

1 モンテジア(尺骨骨幹部)骨折とは,なにですか。(クリックすると回答)


橈骨・尺骨の幹部骨折の中でも,尺骨骨幹部骨折と橈骨骨頭脱臼を合併した外傷を言います。

尺骨の骨幹部が折れて,橈骨の骨頭部が脱臼してしまったものですので,どちらかというと重症です。

なお,橈骨・尺骨は,前腕を構成する2つの骨で,
橈骨は,親指側に,尺骨は,小指側にあるものです。
あるものです。

肘関節橈側から見た.jpg

橈側から見た肘関節Webiloより

2 モンテジア(尺骨骨幹部)骨折は,どのようにしておきるのですか。(クリックすると回答)


転落・転倒した際に,手をついた際に,前腕回内力(掌を下にするように働く力)が作用して生じます。

3 治療経過はいいのでしょうか。(クリックすると回答)


尺骨骨折が前方凸変形して,橈骨骨頭が前方に脱臼するタイプのものが多いのですが,
尺骨骨折を整復すれば,橈骨骨頭は自然に整復されると言われています。

しかし,成人では再脱臼の可能性が高いともされています。

なお,合併症として橈骨神経麻痺を生じることも多いとはされています。

4  後遺障害が残ることはありますか。(クリックすると回答)


ありえます。

その場合は,,尺骨の変形治癒から肘関節の拘縮及び橈骨頭の亜脱臼をきたして,肘関節の尺橈関節の拘縮・用廃などによる前腕の回内・回外制限が考えられます。

後遺障害等級は,
健側の2分の1以下に制限(10級10号)

健側の4分の3以下に制限(12級6号)

なお,回内・回外の参考可動域角度はそれぞれ90度です。

また,

5 合併症の橈骨神経麻痺は,どうして生じてしまうのですか。(クリックすると回答)


橈骨神経は,腕の伸筋の多くを支配しています。
そして,橈骨神経は肘を覆うようにしてらせん状に上腕から橈骨遠位まで走行しています。

モンテジア(尺骨骨幹部)骨折のダメージによる橈骨神経麻痺を生じやすいのはそのためです。

----------

橈骨神経麻痺(リンク)

前腕の回内・回外制限(リンク)


むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る