Q.交通事故により生じる筋萎縮とは何ですか。

[OPLL,廃用性萎縮,後縦靱帯骨化症,神経原性萎縮,筋萎縮,運動麻痺]

A.

1 筋萎縮とは
筋の容積が減少した状態を言います。
筋萎縮にも,神経原性萎縮,筋原性萎縮,廃用性萎縮があります。
神経原性萎縮,廃用性萎縮が,交通事故に関係すると考えられます。

2 神経原性萎縮
末梢神経の変性によるもので,四肢の遠位部より萎縮が始まることが多いとされています。例えば手の母指球,小指球の萎縮そして扁平です。
そして,次第に近位に萎縮が進行してきます。
なお,神経原性萎縮は筋力は比較的保たれていることが多いとされています。

交通事故に関連するものとしては,頚部脊椎症(頚椎症),頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)等で頚神経の慢性的な圧迫によって上肢の筋萎縮が見られます。

3 廃用性萎縮
運動麻痺や無動の程度がひどくて不使用の部位に廃用性萎縮が生じることがあります。
脳損傷による片麻痺の場合も健側も寝たきりや運動量が少ないと,筋萎縮が生じてそれに比例して筋力低下が見られます。

4 臨床検査所見
電気生理学的検査
運動神経伝導速度は末梢神経線維の病変による筋萎縮の場合には遅延します。

筋組織のCT画像
筋萎縮の程度や範囲を確認することができます。

 

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