Q.高次脳機能障害3級以下における近親者介護費用のいわゆる相場額はどうなっていますか。
A.
裁判例では,介護について日常生活動作に対する身体介護が必要な場合と介護としての監視・声掛けで足りる場合とでは区別されます。高次脳機能障害において多くは,後者です。
そして,このような介護としての看視・声掛けで足りる場合には,常時必要であるか否かの事情によりますが,一般的には身体介護よりも肉体的な負担が軽いことなどにより日常活動動作に対する身体介護に比べて定額の費用となる傾向にあります。
しかし,看視等をするものの肉体的・精神的負担は必ずしも軽いとは言えないことに注意をして判決あるいは和解案が出されているようです。
そこで,具体的な監視等の状況において,具体的に暴力の制止あるいは徘徊等の不穏行動とそれへの対応の内容を具体的に主張立証する必要があります。
高次脳機能障害等級としては,3級あるいは5級,もしくは他の残存症状との併合によっては7級程度までが介護の必要性・相当性の対象となり得ます。
なお,近親者が介護するとして判決例では日額2000円から6000円の幅に一般的にはあると考えられます。
多くは,障害等級に比例していますが,上記のようにそれだけでは金額は定まらないと言えそうです。