Q.膝関節の可動域制限(運動機能障害)は,何級になりますか。
膝関節の主要運動は,屈曲・伸展です。
その制限の程度によって,8級6号(用廃),10級10号(著しい障害),12級6号(単なる障害)と認定されます。
なお,膝関節の可動域制限をもたらす外傷としては,主に次のものが考えられます。
膝関節靱帯損傷
脛骨プラトー(高原)骨折
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1 主要運動・参考運動,自動・他動とは(クリックすると回答)
膝関節の主要運動は,屈曲・伸展のみです。
なお,膝関節の参考運動はありません。
また,健側(負傷していない側)と患側(負傷した側)とを比較して,自動ではなく他動で比較をします。屈曲・伸展の合計で比較します。
膝関節の主要運動である屈曲とは,股関節を屈曲位のままで片足の膝を体幹に近づける動作です。
実際には,大腿骨から膝までの部分を固定した状態で下腿部を臀部に近づける動作になります。
基本軸は大腿骨で腓骨が移動軸となってなす角度が可動域の測定値となります。参考可動域は130度です。
伸展は,膝を挙げて,まっすぐにする動作です。参考可動域は0度です。
参考運動は,ありません。
「1上肢の3大関節の1関節の用を廃したもの」
次のいずれかに該当するものです。
a. 関節が強直したもの
関節強直とは,関節自体が癒着して可動性をまったく喪失した状態を言います。
認定においては,完全強直を言います。つまり,関節が全く可動しないか,またはこれに近い状態を言います。
☆関節強直については,こちらを参照して下さい。
関節拘縮・強直とは何ですか。後遺障害との関係はどうですか。---後遺障害賠償は,むさしの森法律事務所(リンク)
「これに近い状態」とは,健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。
b. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
「これに近い状態」とは,他動では可動するが,自動では健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。
c. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
3 10級10号(著しい障害)認定とは(クリックすると回答)
「1上肢の3大関節の1関節の機能に著しい制限を残すもの」
次のいずれかに該当するものです。
a. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
b. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの
「1上肢の3大関節の1関節の機能に制限を残すもの」
次に該当するものです。
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの
膝関節において参考運動はありません。