Q.遷延性意識障害における脊髄後索電気刺激(DCS療法)とは何ですか。

[低酸素脳症,脊髄後索電気刺激,遷延性意識障害,DCS]

A.


遷延性意識障害(いわゆる植物状態)に対する脊髄後索電気刺激(Dorsal column stimulation : DCS)が,一定の回復に有効であるとされています。

脊髄後索電気刺激療法(DCS療法:)
頚部切開により前斜角筋前面で横隔神経を同定,電極装着する方法が主流です。

わが国では,保険適応がされていないために症例報告が散見される程度ですが,世界中では1000例ほどの症例があります。

有効例としては,次のような症例が報告されています。
言語理解がある,または意思の疎通がとれる,または経口摂取が可能である,または随意的な運動があるなど臨床症状の顕著な改善を認めた症例

追視がある,ある程度の嚥下機能がある,表情が豊かである,四肢の筋緊張が軽減した,など他覚的に臨床症状の改善が認められた症例



そして,有効例の傾向としては,
(1)若年者に有効例が多い。
(2)有効例としては,頭部外傷が極めて多い
(3)低酸素脳症については年齢によらず,無効例が多い

藤田保健衛生大学 医学部 脳神経外科学講座  ホームページより


なお,既に,有効性については,判決例に登場しており,加害者側に費用負担を命じる判決も散見されます。


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