Q.独身者の死亡逸失利益における生活費控除率については,どう考えるのですか。

[一家の支柱,女性,独身,生活費控除率,男性,赤い本]

A.

一般には,男性50%,女性30%とされています。(いわゆる赤い本2015年版p149,150)

この生活費控除率については,ほぼ基準化あるいは規範化しつつあると言えそうです。

最近の判決例でも独身男性において50%ではない判断をしたものは,独身であるが両親と同居して母親の介護をしており「一家の支柱」と認定した上で40%としたもの(仙台地裁 平成20年10月29日判決),
家計上,相当の負担をしていたこと具体的に婚姻を考えていた女性があったことから45%としたもの(東京高裁 平成22年10月28日判決)があり,後者も「一家の支柱」に準じたものといえそうです。

また,女性独身を30%とする説明としては,過去において男女賃金格差を前提にして是正のための修正手段という評価もありました。
しかし,男女同一賃金の実現自体は好ましいことですが,その結果として独身女性において男性と生活費控除利率を違える合理性が薄れてきたとも言えます。
それを端的に示すのが,男性と同等に稼働するとの前提で逸失利益を算定していることに鑑み中間の40%と判断した判決例があります(横浜地裁 平成24年9月27日判決)。


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