Q.顔面骨折,顎骨折から後遺障害(後遺症)となりますか。
A.
1 下顎骨折
好発部位は,(1)歯槽突起(切歯部ついで犬歯部)(2)下顎骨体部(複雑骨折となりやすい)(3)下顎上行部(4)関節突起(5)筋突起があります。
症状としては,咬合異常,そしゃくとえんげ困難,流涎(よだれがでること),浮腫,外貌変化,出血斑,口腔粘膜の裂傷,歯槽損傷・動揺があります。
また,下顎部の打撲は,外耳道前壁骨折,頭蓋底骨折を合併することがあるとされています。
2 上顎骨折
顔面中央部の骨折です。
症状としては,顔面浮腫,眼球出血斑,粘膜下出血,眼瞼腫脹,眼球運動障害,視力障害,咬合異常です
また,頭蓋底骨折を伴うことがあります。
3 頬骨骨折
頬骨体部の骨折と,頬骨弓の骨折があります。
(1)頬骨体部の骨折
頬骨を支える3つの縫合部(前頭骨,側頭骨,上顎骨との縫合部)でのこっせつであり前頭頬骨縫合が離開して頬骨弓が変形します。
多くの場合に,ワイヤーやプレートによる固定を必要とされています。
(2)頬骨弓の骨折
挙上手術で整復されます
4 眼窩壁骨折
吹き抜け骨折とも言われて,眼窩内容物(脂肪)が脱出して外眼筋の運動制限が起こります。
大きな骨折では眼球陥没が起こるものの,外眼筋の運動制限は起こらず,むしろ小さい骨折で運動制限が起きるとされています。