Q.自宅療養期間が入院期間として慰謝料を算定されることはありますか。
A.
「入院待機中の期間及びギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は,入院期間とみることができる。」(いわゆる赤い本平成28年版p170)となっています。
具体的には,右足関節骨折でギプス固定し自宅療養した30歳女子について112日間において10日の実通院ですが,通院慰謝料として60万円を認めています(大阪地裁 平成13年10月26日判決 自動車保険ジャーナル・第1462号)。
なお,このケースでは,自宅で看護した母親の付添看護費として日額1,000円を認めています。
また,左膝の靱帯損傷が激しいため、直ちに手術ができず、原告の左足をギプスで固定、入院を医師に依頼したが、病室に空きがなくできず、ギプスをはずすまで30日間自宅療養を要し、その間は一日中寝ている状態で、日常生活のほとんどに介助を必要としたことが認められるとし、その期間を入院期間として慰謝料を算定しています(東京地裁 平成17年6月21日判決 交民集38巻3号831頁)。さらに,母親が介護を行った30日間、1日8,000円で近親者付添介護費を認めています。