Q.外傷性脳損傷と先天的障害による学習障害の生徒との違いはどのようなものですか。
A.
1 後天性脳損傷(前者と言います。)は、多くは受傷前は学校生活はうまくいっていたが、受傷後に変化した。
2 前者では、受傷前に習得した情報を記憶し、それを活用する能力はあるが、新しい知識・情報を獲得することが困難である。
3 前者では単一の技能を使った学習はできるものの、複数の技能が統合された学習はできない。
4
標準検査や非形式的な評価で測定できるのは、過去の学習能力についての情報であって、生徒がどのように学習するのかを評価することができない。
5
前者では、身体的快復に伴い痛みや疲労感を体験する。認知的発達や回復の時期によって常に様子が変化する。
6 前者では、児童・生徒が今までと変わっていないことを期待する仲間や家族との再統合に社会的困難を経験する。
7 前者では、受傷前には問題とならなかった怒りやフラストレーションのレベルを管理することが困難となる。
8 前者では、受傷の影響や障害の程度に対する認識が欠如している。
参考文献「子どもたちの高次脳機能障害」三輪書店 監訳者 p216より