Q.自転車事故の被害に遭った場合の損害賠償請求は,自動車事故の場合とどのように違いますか。

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A.

自賠法(自動車損害賠償保障法)は自転車事故には適用されないということと、自転車は自賠責保険のような対人賠償責任保険に入る義務がないことです。
そのことから、自転車事故については、責任を追及する上での困難な点があります。

1 自動車事故との違い
まず、自転車事故とは自転車対歩行者および自転車同士の事故と定義して、自動車が加害者として関係するものを自動車事故として二つを区別します。

根本にある違いは、自動車事故で適用される自賠法(自動車損害賠償保障法)は自転車事故には適用されないということです。
つまり、自賠法は自動車が全く関係していない自転車事故には登場してこないのです。

2 自転車事故に自賠法が適用されないことから生じる結果
自動車事故で通用したことが、自転車では通用しないという、とてもやっかいで厳しい結果が生じてしまいます。大きくは、次の点が指摘できます。

(1)強制保険(自賠責保険)がない
(2)後遺障害を認定する機関がない
(3)過失割合の基準が自動車事故に比べてあいまい
(4)事故状況の再現(客観化)が難しい

3 具体的には、どのような問題が生じますか。
(1)強制保険(自賠責保険)がない
これは、自転車には免許制度がなく運転をするための年齢制限もないことにも関連します。しかし、いざ事故となって怪我をさせたりすると支払いの保証がないという大問題に発展します。自転車保険という任意保険が販売されてきていますが、あくまでもこれは加入を強制されない任意保険です。

(2)後遺障害を認定する機関がない
自動車事故のような自賠責調査事務所のような期間が自転車事故では存在しません。
あくまでも、症状固定の時期・後遺障害の有無程度については当事者の話し合いによります。

(3)過失割合の基準が自動車事故に比べてあいまい
(4)事故状況の再現(客観化)が難しい
この二つは、事実面と評価面の裏表の関係にあります。
要するに、自転車事故では衝突地点からして食い違いが生じて正確に把握することが難しいのは日常茶飯事です。
そして、自動車事故のような精密な過失相殺率の基準がありませんでした。
最近になって自転車対歩行者の事故について基準が発表されており、一段落しています。
しかし、難しい自転車同士の基準は公のものがない状況です。

さらに、自転車事故の詳しい内容は、以下の書籍を参照にしてください。

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