Q.脳梁は,びまん性軸索損傷により損傷しますか。その場合には,どのような障害を生じますか。

A.

1 びまん性軸索損傷による損傷部位の特定
広汎性というのが,びまん性軸索損傷であることからすれば,損傷されやすい部位があるというのは,定義矛盾のような気がしますが,最近の研究によれば実際には存在することがわかっています。特に脳梁については損傷されやすいことが非常に明らかになっているとされています。

2 脳梁とは
脳梁とは,左右大脳半球の内側面にあり,両者を形態的および機能的に連結する線維の束で,人間の脳梁は約2億~3億5000万の神経線維を含むものです。
そして,脳梁は,交通神経繊維としてある皮質領域から対側の同じ領域または対側の異なる領域へ信号を送っています。

3 脳梁の損
実際に,最近の研究では脳梁損傷により体積低下が統計的にも非常に明らかなものであって,びまん性軸索損傷に特徴的なものとされてきています(「高次脳機能研究」日本高次脳機能障害学会誌2015年9月p287)。

4 脳梁損傷と症状の関係
検査結果によればピアソンの相関係数を求めると,脳梁体積が低下している症例ほど処理速度が低下することがわかってきています。ちなみにピアソンの相関係数(パラメトリック法)とは,相関の強さは相関係数rで表して|r|≦1です。|r|が1に近いほど相関が強いとされています。
rが0.82を示したとされています。(同上)

なお,社会行動障害との関連も指摘されていますが,なお,今後の検討が必要とのことです。

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