Q.追突事故におけるむち打ち(頚椎捻挫)・頚部損傷が発症するメカニズムとは,どういうものですか。

[伸展,可動域,屈曲,追突,頚椎]

A.

1 追突時のクビの動き
追突されると,
乗っている自動車は加速により押し出されて前へ進みます。
そして,自動車は急に減速して,止まります。

これに対して
自動車が前方に押し出されたときクビは衝突前の位置に残ったままで胴体だけが前へ移動します。

すると,
頭だけが取り残されたようになって頭を支えるクビが伸展(=引き延ばされる)されます。

次に後ろに残された頭はクビの弾力性による復原する力で前へ引き戻されます。

そこへ,自動車が急激に減速するために
頭が前に戻ろうとする力を得て
胴体よりも前方にはじき出されるようになって
クビは屈曲(=曲げさせられる)を強制されます。

2 クビの受傷のメカニズム
このように,クビに伸展と屈曲が連続しておこるために,まさしくムチがしなるような動きをします。
そして,通常の可動域の範囲を超える過伸展と過屈曲なのです。

正反対の二つの方向の運動を強制されます。
それに自動車の急な加速と減速という加速力も加わっています。
屈曲は,アゴが胸につかえるので過屈曲もそこで止まりますが,伸展は後頭部が背中につくまで強制されてしまいます。

そのため,過伸展による損傷が交通外傷としての頚椎捻挫(頚部外傷,むち打ち損傷)の受傷の主なメカニズムとされています。

過伸展,過屈曲というのは,極めて不自然な動きで頚部周辺組織に与えるダメージは,個人差あるいは衝突により加えられた外力の大きさによって,
様々な違いはありますが,相当期間の交通事故による受傷の治療が必要となり,不幸にして後遺障害を残す場合もあることは当然と言えます。

適正な治療及び賠償を求めるべきです。

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