Q.いわゆるキックボード(キックスケーター)は,過失相殺では自転車と同じ軽車両となるのでしょうか。
キックボード(なお,正式にはキックスケーター)は,子どもの遊具にもなり,また大人でも便利な移動用具になります。
交通事故が起きた際に,自転車と同じ軽車両となるのか,歩行者になるのか問題となります。
1 キックスケーター
キックスケーターは自転車のルーツであり特性上自転車に最も近い「乗り物」です。
練習項目に目を通し安全装備品を着用し,空き地などで充分な練習を実施して下さい。
道路運送車両法で軽車両となります。
しかし,道路交通法では
「人を搬送する目的で設計していない」「社会通念上,移動目的と認められない」製品は遊具(交通の頻繁でない公道のみ使用可能)となります。
車種によっては公道走行が構造上適さない製品もありますのでご注意下さい。
特定非営利法人日本キックスケーター協会HP
より(ただし,抜粋)
http://www.ksa.gr.jp/
2 軽車両なのかどうか
キックスケーターは自転車のルーツであり特性上自転車に最も近い乗り物であると一般に言われていることが認めらます。
しかし,キックスケーターは各メーカーや機種ごとに構造(開発設計意図や制動装置の有無等)が異なります。
このことに照らせば,キックスケーターを使用した者の過失の程度については,直ちに軽車両の使用者と同列に評価したり,あるいは,純然たる歩行者と同列に評価したりするのではなく,具体的な事案ごとに考察するのが相当であるというべきです。
特に,キックスケーターの構造,とりわけ,片足を乗せてもう一方の足で地面を蹴って進む通常のタイプのものであり,特殊な機能を備えているものではない場合の過失割合について,自転車を運転した者と同様に評価するのは相当でないというべきです。