Q.点滅信号は,交通整理なのでしょうか。赤色点滅と黄色点滅の場合,あるいは双方とも黄色点滅の場合はどうなりますか。
点滅信号は,「信号機により交通整理が行われている」ものではありません。
過失割合については,色ではなく道路の形状や車両の速度等から判断されます。
1 点滅信号は,交通整理なのでしょうか。 (クリックすると回答)
「信号機により交通整理が行われている」とは,信号機の信号により,交互に一方の交通を止め,他方を通す方法で交通規制が行われている場合をいいます。
黄点滅,赤点滅といった信号機の信号はどうでしょうか。
黄点滅は,「他の交通に注意して進行することができること」であり,赤点滅は,「車両等は、停止位置において一時停止しなければならないこと」であります。平成20年道路交通法施行令改正により改められました。
すると,黄点滅にしても赤点滅にしても「信号機により交通整理が行われている」とは言えないのです。
2 黄点滅は赤点滅に優先するのでしょうか。 (クリックすると回答)
色だけ考えると優先するように思えます。しかし,いずれも「信号機により交通整理が行われている」ものではありません。
この点については,道路交通法施行令平成二〇年改正によっても変わりはありません。
しかし,赤点滅側が一時停止を怠っていれば法令違反として黄色点滅側よりも過失が大きくなることになります。
だが,これは黄点滅が赤点滅に優先するのではありません。したがって,黄色点滅側である被害車両も考え事をして信号にすら気づかないで徐行義務を怠っていた場合には被害車両の過失を20%として過失割合とされました(名古屋地裁 平成23年4月1日判決)。
3 双方黄点滅の場合にはどうするのでしょうか。 (クリックすると回答)
「信号機により交通整理が行われている」ものではありませんから,信号の色により決めるものではありません。
道路の形状やそれぞれの車両の速度,一時停止の有無などから総合的に判断されるものと考えます。
この点については,
双方が黄色点滅信号を示す交差道路から進入した車両同士の衝突事故につき,双方黄色点滅信号の交差点は,道路交通法上,交通整理の行われていない交差点にあたるものと解すべきであるとして,その上で,道路幅員も考慮しつつ,双方の速度程度を基本に過失割合を認定し6:④と速度違反側を重した判決があります(千葉地裁 平成10年11月24日判決)。