Q.死亡逸失利益の算定で被害者が受け取るはずだった将来の年金分は含まれるのでしょうか。
A.
年金の受給権を取得をしていたものの,現実の受給を受けていない場合があります。
そのような方で,後遺障害あるいは死亡による逸失利益が発生したとします。
原則として症状固定時の年齢から67歳までの喪失期間に対応するものが逸失利益となります。
ここで,67歳と言う年齢がポイントとなります。
年金を現実に受給する場合で,就労をしているならば年金受給は停止となります。
この停止期間を逸失利益を考える上で,どうするかという問題です。
「年金は,就労中は支給停止となることから,就労分の逸失利益を認定した67歳までの間は,これを損害できない。」結論になります。(大阪地裁 平成24年8月28日判決
<出典> 自保ジャーナル・第1885号)