Q.(好意同乗あるいは無償同乗)運転者に対する損害賠償について同乗者の金額が減額されることがありますか。

[危険承知,好意同乗,無償同乗,飲酒運転]

A.

この好意同乗あるいは無償同乗(呼び方は違いますが内容は同じです。)に関しては,かつては,減額されることがありましたが,現在では原則として減額されません。

1 原則は,減額されないのですか。(クリックすると回答)

過去においては,人の自動車に乗せてもらい事故に遭ったことをもって減額するとされて,それを肯定する判決例も多くありました。

自動車に対する価値観としてただで乗せてもらっているのだから,何らかの利益を受けているから,全額賠償はよろしくない,と言う理由であったと思われます。
文字通りの「ただ乗り」は許されないと言う発想だったかもしれません。
しかし,今日では人の車に乗っただけで減額というのは常識に合わなくなっているのだと思われます。
理屈で言えば,原則は減額せず,同乗者にも避難すべき事情がある場合に限り減額すると言うことです。

理論的には,事案を以下の3類型として,
①単なる便乗・同乗型 ②危険承知型 ③危険関与・増幅型
①は,原則として減額せず。
②③は,内容,程度に応じて過失相殺の規定を適用ないし類推して減額します。
減額の割合は,事案により異なりますが,一般的には②よりも③が大きくなる(=賠償額が少なくなる)傾向にあります。

2 危険承知型というのはどういうものですか。(クリックすると回答)

事故発生の危険性が高い客観的な事情の存在を知りながら同乗したような場合です。
具体的には,運転者が無免許,薬物濫用,飲酒,疲労等でありながら運転していることを知っていたような場合です。

3 危険関与・増幅型というのはどういうものですか。(クリックすると回答)

同乗者自身が事故発生の危険性が増大するような状況を作り出したような場合です。
具体的には,速度違反をあおったり,定員超過のような場合です。

---------------------------

同乗者に対して減額をした実際の判決例については,こちらをご覧下さい。
運転者と一緒に飲酒した上で同乗して事故の被害に遭ったら何割くらい減額されますか。(リンク)

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る