Q.過失相殺の「著しい過失」とは何ですか。自動車,単車,自転車で違いはありますか。
2 車両一般の「著しい過失」とは
3 酒気帯び運転とは
4 単車特有の「著しい過失」とは
5 自転車特有の「著しい過失」とは
6 自転車の右側運転は常に 「著しい過失」か
衝突形態等により基本的な過失割合(相殺率)が定まっています。
そして,その過失相殺率を定めるに当たっては通常想定される過失を考慮に入れています。
したがって,それを超えるような過失を「著しい過失」といいます。
上記の場合で,一時停止規制のある道路から直進進入した車両に「著しい過失」があれば,90:10となるのです。
(1)脇見運転等の著しい前方不注視(道交法70条)
(2)著しいハンドル・ブレーキの操作不適切(道交法70条)
(3)携帯電話等の無線通話装置を通話のため使用したり,画像を注視しながら運転すること(道交法71条5号の5)
(4)おおむね時速15㎞以上30㎞未満の速度違反(但し高速道路を除く。)
(5)酒気帯び運転
(1)酒気を帯びて車両等を運転することであり,酒酔い運転を除きます。
(2)罰則を受けたかどうかは問いません。
(3)「酒気を帯びて」とは,通常人の血液中に常時保有されている程度以上にアルコールを保有して車両を運転することをいいます。
その基準となる程度(政令数値)は,「血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg」です(平成19年改正)
ヘルメットの不着用です。
但し,高速道路における不着用は「著しい過失」ではなく「重過失」とされます。
(1)2人乗り(道交法55条等,但し,場合によれば都道府県によっては幼児用座席の使用が許されていることがあります。)
(2)無灯火(道交法52条)(3)傘を差すなどした片手運転(道交法70条)
(4)右側運転(道交法17条)
6 自転車の右側運転は常に 「著しい過失」か (クリックすると回答)
すべての右側運転ではなく,他方から見て左方から自転車が交差点に進入した場合にのみ「著しい過失」としています。
それは,他方から見て左方から自転車が右側運転で交差点に進入した場合には,衝突回避を困難とするからです。
なお,平成25年からは,自転車による右側の路側帯通行も,この「右側通行」に含まれます。