Q.症候性てんかんとは何ですか。外傷性てんかんとの関係はどうですか。
器質的疾患が原因となっているてんかんを症候性てんかんといいます。
その中でも,脳障害部を焦点として発生するものを特に外傷性てんかんといいます。
そして,外傷性てんかんとしては,前頭葉が最も多く側頭葉,後頭葉の順となります。
発生の危険因子として脳挫傷等が挙げられており,遅発性(後発性)が特徴です。
(現代の脳神経外科学 坪川孝志著 金原出版社 より)
てんかんは,種々の原因によって起こります。
てんかんは,(てんかん)発作を主症状とする慢性疾患です。
神経細胞集団の異常で過剰な興奮により引き起こされるとされています。
てんかんは,発症の原因によって分類されます。
その中でも,器質的疾患が原因となっているものを症候性てんかんといいます。
この器質的疾患としては,脳外傷も挙げられています。
症候性てんかんの中でも,脳障害部を焦点として発生するものを特に外傷性てんかんといいます。
焦点としては,脳挫傷によって生じた瘢痕形成,大脳皮質と硬膜との癒着,脳内の異物,感染後の瘢痕形成がなりやすいとされています。
そして,焦点として発生することから,外傷後に直ちに発症するのではなく,一定期間を経過した後に発症するとされています。
3 外傷性てんかんを起こしやすい脳損傷(クリックすると回答)
運動領を含む前頭葉が最も多く,側頭葉,後頭葉の順となります。
このことから,外傷性てんかんを発症しやすい危険因子が次の4のように挙げられています。
1. 外傷性早期てんかん
2. 外傷性意識障害
3. 硬膜裂傷
4. 脳挫傷(危険因子として重要)
5. 頭蓋内血腫(危険因子として重要)
6. 開放性頭部外傷
7. 陥没頭蓋骨骨折(リンク)(危険因子として重要)
8. CT上局所性脳損傷
9. 脳波異常