Q.後遺障害慰謝料が,基準額よりも増額することがあるのはどのような場合ですか。

[後遺障害,慰謝料,訴訟基準]

A.

訴訟においては,原則としていわゆる赤い本にある訴訟基準が各後遺障害等級に応じて定まっており,そのまま認定されています。
しかし,次のような場合にはその基準を超えて増額されることがあります。

1 後遺障害による逸失利益の算定が困難である場合
 顔面醜状,生殖機能障害(例えば男性の勃起不全),歯牙欠損等のように,その後遺障害が直接的に労働能力の喪失に影響するとまでは言えないが,間接的には影響を与えると考えることができるものの,それを算定するのが困難である場合です。
間接的な影響ということであり,喪失率・喪失期間を明確に示すことが困難な医師は不可能なことです。
そのような場合には,基準額を超える慰謝料が認められることがあります。

2 将来の手術費の算定に困難が伴う場合
 症状固定はしたが,将来の手術が予定されている場合があります(例えば,再度の骨折の可能性があるような場合)。
そのような場合には,手術を必ずするあるいはできる可能性及びその際の費用が将来に及ぶことから算定が困難なことも考えられます。
そのような場合にも基準額を超える慰謝料が認められることがあります。

3 相手方の事故態様の悪質性や事故後の不誠実
 これは,無免許,飲酒運転,故意の赤信号無視,著しい速度違反という事故態様。
ひき逃げ,証拠隠滅,不当な事実関係の争い等が事故後の不誠実に当たるとされます。

 なお,謝罪がない,見舞いに来ないという不満を被害者が抱くことは多くありますが,これらの加害者側の対応は既に織り込み済みとして増額事由には一般的にならないとされています。

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