Q.飲酒運転であることを知って同乗した場合に,慰謝料はもらえるのですか。

[同乗者,慰謝料,減額,過失相殺,飲酒運転]

A.
1  裁判例の流れでは慰謝料請求権があることを前提として,過失相殺の類推で減額をすることとなっています。

2 飲酒運転に同乗するという場合にも,色々なケースがあり得ます。
裁判例を見ると,(1)危険を承知している場合(2)危険に関与したり,増幅した場合に大きく分けられます。

3  (1)は,一緒に飲酒していた場合は当然承知していることになります。同乗者自身が飲酒していなくても該当します。あるいは,朝,前日のアルコールが抜けていないのを承知していても該当します。一般的に10から15%の減額とされています。

4  (2)は,飲酒しているのを承知しているだけではなく,さらに運転することを勧めたり頼んだりした場合です。さらに,一緒に飲酒して,二次会などで次の場所に移動するために積極的に運転をさせたような場合が該当します。一般的に20から25%の減額とされています。

5 つまるところ,減額の幅も,裁判官の価値判断によります。運転者と同乗者の社会的・身分的な関係,飲酒量,あるいは被害の程度も影響します。なお,飲酒運転に対する社会的な批判は最近大きくなっており,減額幅もより厳しくなる可能性もあり得ます。

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