Q.手指の機能障害についての後遺障害等級はどうなっていますか。
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手指の機能障害
(ア)「手指の用を廃したもの=用廃」
(イ)「母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」
を言います。
(ア)用廃
用廃とは「手指の末節骨の2分の1以上を失ったもの,又は中手指節関節又は近位指節間関節(母指については指節間関節)に著しい運動障害を残すもの」を言うとされています。
部分的な欠損と可動域制限とを合わせているものです。
①手指の末節骨(いわゆる指先にある骨)の2分の1以上を失ったもの
②母指以外は中手指節関節(指の付け根の関節)又は近位指節間関節(指の付け根から見てすぐの関節)の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの
③母指の指節間関節(指の付け根から見てすぐの関節)の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの
④母指について,橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の2分の1以下に制限されるもの
⑤手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱したもの
これは,医学的に感覚神経が断裂するだけの外傷を負った事実を確認するため感覚神経伝導速度検査を行い判断されます。感覚神経電位が検出されないことが必要です。
(イ)遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
①遠位指節間関節(中節骨と末節骨間の関節)が強直したもの
②屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって,自動で屈伸ができないもの又はこれに近い状態にあるもの
2 手指の骨・関節の構造
5本の指すべてに中手骨1本があり,母指(親指)を除いた4本の指に指骨が各3本あります。母指(親指)の指骨は2本です。
すると,母指(親指)を除いた4本の指は,中手骨1本+指骨3本(それぞれ掌から見て順に基節骨・中節骨・末節骨と呼ばれます。)で構成され,母指(親指)は,中手骨1本+指骨2本(基節骨・末節骨です。)で構成されていることになります。
なお,指骨は3本×4指+2本=14本あることになります。
関節で考えると,母指(親指)を除いた4本の指には,基節骨と中手骨との間に一つ(これを中手指節関節と言います。MPと書くこともあります。),
そして3本の指骨の間に二つ(基節骨と中節骨の間を近位指節間関節=PIP,中節骨と末節骨との間を遠位指節間関節=DIPと言います。)あります。
母指(親指)には基節骨と中手骨との間に一つ(中指節関節=MP),そして2本の指骨である基節骨と末節骨間に一つ(指節間関節=IP)あります。
【母指(親指)以外】
末節骨-遠位指節間関節(DIP)-中節骨-近位指節間関節(PIP)-基節骨-中手指節関節(MP)
【母指(親指)】
末節骨-指節間関節(IP)-基節骨-中指節関節(MP)
3 後遺障害(後遺症)
(1) 用廃
両手指全部の用廃→4級6号
1手の5の手指の用廃→7級7号
1手の母指(親指)を含む4の手指の用廃→7級7号
1手の母指(親指)を含む3の手指の用廃→8級4号
1手の母指(親指)以外の4の手指の用廃→8級4号
1手の母指(親指)を含む2の手指の用廃→9級13号
1手の母指(親指)以外の3の手指の用廃→9級13号
1手の母指(親指)の用廃→10級7号
1手の母指(親指)以外の2の手指の用廃→10級7号
1手の示指(ひとさし指),なか指,くすり指の用廃→12級10号
1手の小指の用廃→13級6号
1手の母指(親指)の指骨の一部を失ったもの→13級7号
1手の母指(親指)以外の手指の指骨の一部を失ったもの→14級6号
(2)母指(親指)以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
→14級7号
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