Q.捻挫と脱臼の違いは何ですか。
捻挫・脱臼は,関節を構成するものが一部破壊された状態です。
安定性を保っている場合が捻挫,関節面がずれてしまっている場合が脱臼です。
脱臼は,部位や損傷程度により重症となり,後遺障害を残すこともあります。
関節が生理的範囲を超えて運動を強制された場合には関節を構成する関節包や靱帯の一部が破壊されます。
関節の安定性を保っている場合には捻挫と言います。
しかし,関節の安定性を保つ重要な靱帯の損傷がある場合には>靱帯損傷
として特別に扱います。
捻挫と同じように関節が生理的範囲を超えて運動を強制された場合には関節を構成する関節包や靱帯の一部が破壊されますが,関節面の相互の適合性がなくなってしまったものが脱臼です。
その中で関節面が一部接触している場合は亜脱臼で,完全に適合性を失ったものが脱臼です。
3 脱臼には,どのようなものがありますか。 (クリックすると回答)
脱臼は,速やかに整復することが好ましいとされます。
特に大腿骨頭や上腕骨頭は,脱臼から整復までの時間が長くなればなるほどに,例えば股関節脱臼では大腿骨骨折骨頭壊死のリスクが高まります。
この点については,こちらの記事をご覧下さい。
股関節脱臼とは何ですか。後遺障害(後遺症)が残ると等級はどうなりますかリンク)
(1)陳旧性脱臼
脱臼が整復されずに放置されたものです。
状態が悪くなってしまって徒手では整復することが困難で観血的治療が必要となることも多いとされています。
(2)反復性脱臼
(リンク)
外傷性脱臼をきっかけに軽度な外力でも脱臼を繰り返すようになってしまった状態です。肩関節に多いとされています。
当初の脱臼の整復が不完全ないし,不十分だったことが原因となります。
(3)動揺関節
(リンク)
他動的に関節を動かすと正常範囲を超えた可動性を示したり,動いてはならない方向に異常な運動を示したりする状態を言います。
そのような異常な可動により関節痛や不安定性を訴えます。
外傷により動揺関節をきたした場合には,その程度に応じて上肢・下肢共に後遺障害が認められています。
肩関節・足関節に多く発生します。