Q.大脳後頭葉の機能はどのようなものでしょうか。障害を受けるとどうなりますか。
大脳後頭葉は,視覚に関する機能に関係します。
障害を受けると視野欠損等を生じるため,後遺障害(後遺症)になることがあります。
解剖学的には脳の側面の頭頂後頭溝の後方を言います。
大ざっぱに言うと,いわゆる後頭部に下の方で首筋の上までに間にかけてあります。
2 後頭葉の機能は,どのようなものですか。 (クリックすると回答)
後頭葉はブロードマンの脳地図でいえば17から19番に該当します。
(1)ブロードマン17番は視覚皮質です。
障害されると同名性半盲を来します。
同名性半盲は,障害を受けている部分と反対側の視野欠損(リンク)が生じる場合です。
(2)ブロードマン18及び19番は視野連合野です。
物体の大きさ,形,色彩などを認識する場所です。
3 後頭葉の障害はどのようなものですか。(クリックすると回答)
(1) 半盲
一側の障害で同名半盲となります。同名半盲とは視野欠損の一つであり左右両側で同じ側が欠損するものです。
視野障害の後遺障害についてはこちらの記事を参照して下さい。
☆半盲等の視野障害とは,何ですか。その後遺障害(後遺症)は,どうなりますか。---交通事故賠償は,むさしの森法律事務所(リンク)
(2)
皮質盲
両側の障害で皮質盲となります。皮質盲とは,眼球自体は正常に機能しているのに眼が見えないことです。皮質盲の人の中には,病気を否定する,つまり自分の眼が見えないことに気づかない人もいます。それをAnton症状といいます。
皮質盲についてはこちらの記事を参照して下さい。
☆皮質盲とは何ですか。---脳損傷・高次脳機能障害賠償は,むさしの森法律事務所(リンク)
(3)
相貌失認
良く知っている人を含めて,人の顔を見ても名前や自分との関係などが分からない状態です。劣位半球の障害で起こります。
相貌失認についてはこちらの記事を参照して下さい。
☆相貌失認とは何ですか。後遺障害(後遺症)となるのでしょうか。---交通事故賠償は,むさしの森法律事務所(リンク)