Q.運動麻痺で核上性麻痺と核下性麻痺はどのように診断されるのですか。
運動麻痺とは,体が思うとおりに動かないことを言います。
核上麻痺は,大脳皮質→内包→脳幹→脊髄→脊髄前角細胞(末梢神経の出入り口)までのどこかに障害がある場合です。
上位運動ニューロン障害と言うことになります。
これに対して核下性麻痺は,脊髄前角細胞(末梢神経の出入り口)→筋肉までに至る神経経路のどこかでの末梢神経障害です。
下位運動ニューロン障害と言うことになります。
違いは,筋緊張の亢進か,低下か,等の様々な現象として現れてきます。
続きを読む
運動麻痺とは,体が思うとおりに動かないことを言います。
その原因としては,脳の運動中枢から筋肉繊維までの神経の長い道のりのどこかに障害があるからです。
運動麻痺の原因について,その長い道のりを大きく二つに分けています。
核上麻痺は,中枢性麻痺とも言いますが,大脳皮質→内包→脳幹→脊髄→脊髄前角細胞(末梢神経の出入り口)までのどこかに障害がある場合です。
上位運動ニューロン障害と言うことになります。
脳損傷,脊髄損傷によるもので原因及び症状としては重いものです。
これに対して核下性麻痺は,脊髄前角細胞(末梢神経の出入り口)→筋肉までに至る神経経路のどこかでの障害です。
末梢神経障害であり,下位運動ニューロン障害と言うことになります。
核上性麻痺と核下性麻痺は運動麻痺の原因を特定するもので,その後の治療,さらには後遺障害となるか,なる場合の程度を決めるとても重要なものなのです。
なお,核性,核上性,核下性についてはこちらも参照して下さい(リンク)。
3 核上性麻痺(上位運動ニューロン(リンク)障害)と核下性麻痺(下位運動ニューロン障害)の違いは (クリックすると回答)
上位 下位
(1)筋緊張亢進 筋緊張低下
(2)痙縮 弛緩性
(3)腱反射亢進 腱反射減衰ないし消失
(4)筋萎縮はない(あっても廃用性) 筋萎縮がある(著明)
(5)バビンスキー反射
(リンク)陽性 バビンスキー反射を含む足底筋反射正常,
あるいは消失
(6)繊維束収縮陰性 繊維束収縮陽性
(7)おかされる筋群は広範囲 孤立した筋のみおかされる