Q.肩関節脱臼(むさしの森法律事務所 用語集)

[Hippocrates,Kocher,亜脱臼,反復性肩関節脱臼,肩関節,脱臼]

A.

1 肩関節脱臼とは
肩関節脱臼という場合には,肩甲上腕関節脱臼を言います。外傷性脱臼の中で現在でも多数を占めていると言われます。
肩関節脱臼は,上腕骨骨頭の位置により,前方と後方とに分けられます。

前方脱臼が重症となる恐れがあります。

2 前方脱臼とは
(1)受傷原因
肩に外転と外旋力が同時に強く働き,上腕骨骨頭が前方にはね出されて関節包を突き破って肩関節前方に脱臼します。

(2)症状
外傷後の時間の経過と共に局所に腫脹と皮下出血が現れます。肩関節自動は不能であり,他動運動に対しては疼痛と「ばね状固定」といわれる抵抗があります。

(3)治療
整復によります。Kocher(コッヘル)法(こちらへ→クリック)とHippocrates(ヒポクラテス)法(こちらへ→クリック)が有名です。

(4)合併症
腋窩神経損傷があると初診の段階で肩関節外側の感覚麻痺により,整復後は外転不能で診断されますが,肩関節のギプス包帯固定により自然に多くは治癒するとされています。

3  後方脱臼とは
前方脱臼に比べてはるかに起こりにくいとされています。

4 外傷性肩関節脱臼の後遺障害
適切な治療が行われないと,その後に容易に脱臼あるいは亜脱臼を繰り返す反復性肩関節脱臼を生じることがあります。
最悪の場合に,動揺関節((リンク))となる恐れがあります。



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