Q.骨盤輪複合骨折とは何ですか。
A.
骨盤輪複合骨折とは,マルゲーニョ骨折(Malgaigne骨折)が,骨盤骨折の中でも重症化しやすいとされているものです。
マルゲーニョ骨折は,骨盤輪に垂直方向への剪断力が加わって,骨盤輪の2カ所の骨折となり,骨盤輪の破綻となるものです。
骨盤の前方も,後方も骨折して,特に後方の骨折は転位して骨折面がずれてしまって骨盤輪の破綻が激しいものです。
この場合に,よくても骨盤輪の変形治癒を残して後遺障害(後遺症)となる可能性が高いとされています。
さらに骨盤輪あるいは寛骨の不安定な骨折に加えて,大腿骨の骨折を合併している場合も多発すると言われています。
【後遺障害(後遺症)】
癒合がよければ,通常は,特に考えられません。
但し,変形が骨折後に残った場合には,骨盤骨に著しい変形を残すものとして12級5号。
また,骨盤輪の破綻に際して大腿骨骨頭骨折があれば,人工骨頭置換術の適用となり,後遺障害となります。
さらに,悪いことに骨盤輪の破綻で,神経損傷が起こり男女ともに生殖機能に障害が残ることがあり得ます。
----------
骨盤骨折(リンク)
生殖機能障害(リンク)
大腿骨人工骨頭置換術(リンク)