Q.むち打ち(頚椎捻挫)で後遺障害(後遺症)14級でしたが,自分では頑固な痛みと思うのですが,どうして12級とはならなかったのですか。

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A.

「頑固」というのは,自覚症状の程度(あるいは強弱)ではなく,他覚的所見の存在することを意味しています。

だから,自分で痛みのひどさを実感しているのは当然としても,それを訴えるだけでは,12級となりません。

「局部の神経症状」としては,他覚的所見は,骨折後の不正癒合あるいは

頚椎捻挫・腰椎捻挫による神経根圧迫によるものが具体的な問題となります。



頚椎捻挫に例をとれば,「頑固な」もの=他覚的所見の存在  が,14級と12級の分かれ道となります。

自賠責保険さらには訴訟実務では,その善し悪しは別として極めて厳格な運用がされていると言えます。


つまり,シビレを中心とした自覚症状があり,
その原因となる神経根圧迫が

(1)神経学的検査による所見がある
(2)画像所見がある
(3)その上で症状をもたらしている神経の支配領域が(1)と(2)とで一致する必要があるのです。


例えば,頚椎第6番と第7番の間から第7頚椎神経が出ています。

その神経根が圧迫されている場合には,

肩から上腕にかけての痛み,肘から人さし指,中指にかけてのシビレなどの知覚鈍麻あるいは過敏が症状として出現します。

れは第7頚椎神経の支配領域だからです。

すると(1)としてスパーリングテスト・ジャクソンテストで陽性となり上腕三頭筋の反射が低下したりします。
さらに(2)としてMRI画像での圧迫所見があります。

このように,支配領域に関して(1)と(2)とで一致するという三段論法で認定がされるのです。

なお,12級13号の頚椎捻挫による神経根症を原因とする認定は,
事故による外力だけでは通常起こりにくく,ヘルニアとか脊柱管狭窄を素因とすると言われています。

そのため,認定されとしても,事故前に無症状であるにも関わらず素因減額をされる可能性があることに注意して下さい。

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12級,14級,非該当の分かれ道(リンク)

 スパーリングテスト・ジャクソンテスト(リンク)



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