Q.眼球運動障害とは何ですか。
A.
外傷により眼球運動が障害されることはあります。
眼球の運動は,各眼3対,つまり6つの外眼筋の作用によって行われます。
そして,それらに脳神経である動眼,滑車,外転の各神経が関わります。
これらの脳神経に外傷による障害が生じると眼筋麻痺がおこり,眼球運動に対する症状が生じてきます。
次のものがあります。
1 斜視
斜視とは両眼の視線が正しく目標に向かない状態を言います。
2 複視
複視(diplopia)とは,1つの物体が2つに離れて見える状態を言います。
つまり眼位が,ずれてしまう自覚症状が複視です。
3 注視麻痺
注視麻痺とは,共同性眼球運動(むき運動)ができなくなったものを言います。
4 滑車神経麻痺
滑車神経麻痺が生じていると,下内方向を見ることができなくなります。階段を下りていくことが困難となります。
5 羞明
目のまぶしさは,羞明(しゅうめい)と言い,自覚症状です。
他覚的所見が伴う場合には,外傷性散瞳(さんどう)として後遺障害(後遺症)に認定される可能性があります。
6 眼瞼下垂
眼瞼下垂とは,要するにまぶたが下がってくるものです。
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