- 1.逸失利益とは
- 2.逸失利益の計算方法
- 3.後遺障害認定等級と労働能力喪失率
- 4.基礎収入額をめぐる問題
- 5.労働能力喪失期間をめぐる問題
- 6.実際には減収がない場合の問題
- 7.労働能力喪失率を変動させる解決例
- 8.労働能力喪失がないとされる後遺障害の場合
2.逸失利益の計算方法
基礎収入額(年収)×労働能力喪失率×ライプニッツ係数
例えば,500万円の年収の方が12級の後遺障害を認定されると,500万円×14%(後遺障害12級の労働能力喪失率)にライプニッツ係数をかけることになります。
ライプニッツ係数について御説明します。逸失利益は将来の利益,つまり何年も先の,場合によると10年も20年も先の利益を現時点でもらえるわけです。その間にできる運用の利益を中間利息として控除する方法をとります。そして中間利息として用いるのが民事法定利息である年5%なのです。そして中間利息控除の方法としては,単利と複利がありますが,複利によるものがライプニッツ係数です。年5%の運用利益が現在の経済情勢からみて到底あり得ないことは周知のことです。その点から,年5%の妥当性については議論があるところではあります。